学長選考会議への意見書 その1
昨日、意見書を提出しました。ご参考のために公開します。
豊木博泰
本意見聴取の目的は何でしょうか。決定済みであるかのような選考会議の意向を記した上で意見を聴取し、また、その内容も内外に公開しないこととしていることから察するに、学内構成員の意見を真摯に聞いて判断するのではなく、単にそのような手続きを形式的に行うことにより選考会議の全面的な責任を回避しようとしているように訝らざるを得ません。学内世論を反映した判断をしようとするなら、時間を取って率直な意見を出しやすい環境を整えることに意を注ぐべきかと考えます。この方式では、意見提出によって後日の不利益を被ることを恐れ、提出を躊躇する方が多いのではないでしょうか。
「審議状況について」では現学長の手腕を高く評価していますが、国立大学法人評価機構の年度評価ではこのところほぼ中位(「順調」)であり、近年は「おおむね順調」も散見されます。また、運営費交付金の重点支援の評価結果では、4年連続100%を下回っており、そのような大学は、単科大学を除けば、本学を含む数大学しかありません。特段の規則改正を行い2年延長するほどの高い評価とはとても言えないのではないでしょうか。(これらの評価指標に基づく経費配分に首肯するものではないですが、一つの外部指標として参考にすべきと考えます。)
現学長の強い物言いや指示のもとで、学内で率直な意見を出し合うことがなくなり非常に息苦しい雰囲気が漂っていると感じています。大学の活性化のためには、創意あふれる協働を行う気風の醸成が急務と考えます。このような状況だからこそ特に学長選考においては、学内構成員の本音の意見を把握するための措置(意向投票の実施やヒヤリングなど)を講じられることを強く望みます。特に学外の委員に置かれましては、事務局が用意した資料で判断するだけではなく、直接的な学内の状況調査をお願いしたい次第です。
国立大学法人そのものが独裁的な運営を可能とするシステムであるからこそ、その根幹たる学長選考会議は自制的であり、自己努力によりさまざまなチェック機構を整えるべきでしょう。国立大学法人法を盾に取った今般の学長選考会議の規程改正や選考方法は、そのような方向とは逆向きのものであり、早晩、元に戻すべきと私は考えます。