学長選考に関する意見書 その3
だいぶ時間がたってしまいましが、公開の了解が得られた意見書を掲示します。
秋山 麻実
【学長任期再延長を可能とする規程改訂について】2019年度末に行われた学長選考・解任に関する「規程」の変更において、学長の再々任が可能となりましたが、その結果8年間もの間同一人物が学長であり続けることが可能となりました。しかし、6年間に一区切りをつけられないとしたら、そのこと自体が、学長としての資質を意向投票に問うべき事態です。学内の教職員の働く意欲は、指揮命令系統によって担保されるのではなく、教職員の総意が反映される民主的な大学運営において自発的に業務に対して発揮されるものです。したがって、再々任を選考会議の審査によって可能とする今回の改訂の撤廃を要望します。
【学長選考会議のみが規程変更権限を有することについて】同様に教職員の総意が大学運営に反映される機会を担保するために、選考会議のみによって選考・解任に関する規程を変更できるというルール自体を改訂し、職員の意見を反映する仕組み作りを要望します。
【改訂された規程における学長候補者審査決定手順について】最初に学長選考会議が必要と認め、次に学長の再々任の意思を問い、そのうえで審査決定するという手順自体にトートロジーが認められます。最初に再々任を必要と認めた会議が審査をしても、否となる可能性がないのに、公正な審査といえるでしょうか。このような矛盾は、学長自身が読売のインタビューにて賢明にも述べられているように、選考会議のメンバーを学長が選ぶという前提が容易に「独裁」を引き起こすことを如実に示しています。このような選考システム自体を見直すことを要望します。
【この度の学長候補者の審査内容について】文部科学省による大学評価や入試倍率の低さ、人勧準拠できない経営状況に加え、学内に自主的で主体的な改革や活動が芽生えてこない状況を鑑みて、学長の評価が再々任を可とする根拠となりうるとは考えられません。現学長の再々任決定自体の撤回を要望します。
【意向投票および意見と回答の公表の要求】現在進行形の事業を再々任の根拠とされていますが、その理屈では、任期満了近くに新事業があれば、再任が必要となります。むしろ今こそ、教職員の信を問うことを要望します。また発言の分断は18世紀に始まる個々の力を削ぐ集団管理手法であり、言語道断です。本意見聴取の内容と回答の公開を要望します。